関内に勤務する30代男性が腰痛を伴って来院した。
腰痛は20代で就職してから感じる様になっていたが、帰宅後や週末は感じなくなっていたので特に気にしていなかった。しかし時が経ち、30代半ばから仕事中の腰痛のみではなく日常的に訴える様になった。今までは少し歩いたり休日は特に感じることが無かったが、現在は常に腰に違和感を訴える様な状態である。特に右側に強く感じる。
関内のオフィスでの仕事はデスクワークで、腰が気になって仕事に集中できず、頻繁に立って腰を回したりして凌いでいた。
コロナ以降在宅が多くなったことで、通勤などが少なくなった影響もあり痛みが強く感じる様になった。しかし、在宅の仕事の場合ストレッチなどができるため腰を回したり、腰を伸ばしたりして逆に対処ができている。
休日には整体やマッサージなどを受けて和らげていたが1週間持つことがなく、すぐにぶり返してしまうため根本的な改善が見込めないかと思い、馬車道にあるスパインカイロプラクティックに来院した。
【検査内容】
問診:
10年以上腰痛との付き合いをしており、過去に病院に行ったり整骨院やマッサージに行ったりしていた。その中で整体(この方はカイロプラクティックとの違いを認識していなかったので、どちらかわからない)に行った時に改善した感じが良く、症状が出るまでの期間が伸びていた。
転勤になり、横浜に引っ越ししてから整体やカイロにいっていたのだが、以前行ったところよりも効果が無く、自分に合う所を探している状態でコチラに来院した。
視診:座りながら問診をしている際に腰の丸さがかなり強く、猫背姿勢で会話をしていた。
スタティックパルペーション(静的触診):
腰の後弯(本来腰椎は前弯のカーブ)が強く、座位で姿勢をよく座ってもらっても前へのカーブが見られない状態であった。
腰の筋群(脊柱起立筋・腰方形筋など)の緊張も高く、左右差が顕著に見られた。
モーションパルペーション(動的触診):
右仙腸関節(骨盤)の後方変異(後ろに傾いている)→押すと圧痛あり
第五腰椎(背骨の一番下の骨)の右回旋変異(右ずれている)→左から押すと痛みあり
股関節可動域に顕著に差があり、右股関節の可動性に
体幹のモーションでは顕著な差異は見られなかった。
オーソペディックス(整形学検査法):
アダムステストなど数種類行ったが異常なし。ヘルニアなどの神経学的な異常は除外できた。
筋力検査:
左臀筋群=4/5(やや弱い)
右腸腰筋:同上
【施術内容】
上記グラフ(厚生労働省提供)のように、男性では腰痛の率が圧倒的に高いです。
検査や問診の内容から純粋な筋肉の過緊張が腰痛を招いていると判断しました。しかし、なぜ腰痛を発症したのか?の原因を糾明と改善させなければ一時凌ぎになってしまいます。
筋肉状態把握:腰の筋肉(両側)・右臀筋・右足の外側の筋肉・お腹の筋肉(両側)これらの筋群の過緊張
骨格状態把握:腰椎前弯消失(正常ではお腹側に緩やかなカーブを形成します。)・右仙腸関節後方変異(骨盤お歪み)・右股関節外旋(骨盤がやや開いている)
上記差が出ていたので骨格の位置や可動域の均等性をつける事によって筋動作の誤差をなくしていくことが、なぜ症状が右側に強く発症するのか?ということの根本的な改善につながると考えられた。
具体的な施術内容
筋肉に対するアプローチ
脊柱起立筋(背骨に沿った筋肉)・腰方形筋(腰部から骨盤にかけて斜めに走行する筋肉)・臀筋群(お尻の筋肉)・腸腰筋(お腹の中の筋肉)の緊張差を考え、緩めるべき側と緩めない方が良い側を考慮しながら緩和操作を行なった。
関節に対するアプローチ
・腰部前弯消失➡︎可動域改善療法(モビリゼーション)
・上部腰椎右回線変位/下部腰椎左回旋変位➡︎カイロプラクティック矯正(アジャストメント)
・仙骨が立ってしまっている➡︎腹部側へ矯正
・右股関節の可動域の改善
上記施術を行い1週間以内の来院を提案した。
初回のカイロプラクティック施術では、状態の把握がメインとなります。施術の反応を見るため強度の高いアプローチは行いません。(術後の悪化などを防ぐ目的&効果の確認のため)
【施術予後】
2回目(5日後):施術の効果が良好に出たため、来院時は「この1週間くらいは痛みがほとんど感じませんでした」と言っていた。施術の間隔を2週間に広げた。
3回目(2週間後):2週間目前半辺りから腰痛が出てきた。痛みの強さは10が最大だとすると7くらいまで戻っている印象だった。
施術効果を保つために自宅で行う臀筋・腸腰筋・腰方形筋のストレッチを指導した。
4回目:ストレッチの効果もあり2週間立っても3/10と、半分以下で保てる様になった。
患者曰く「今までは数日すると10の痛みが戻っていたのですが、コチラで整体を受ける様になってから本当に楽な状態を維持できる様になって感謝しています」との言葉をもらいとても喜ばしい気分になりました。
スパインでは、2週間を施術の目処としています(患者が満足いく持続になったらカイロプラクティック治療期は一旦終了し、その後予防していきたいか?再発したらカイロ治療として受けたいか?を患者に選択していただきます。)
この方は仕事の関係上座っていることが多いため、また症状が溜まってしまい症状が誘発することが予想されます。その事を患者自身理解していたため、定期的なメンテナンスをして現在は1月に1回のペースで診させていただく様になり5年目になります。
【施術者の見解】
この方の腰痛も整体などを受けてその時の症状は楽にできるのですが、すぐに発症してしまう状態を繰り返していました。
慢性腰痛症の多くは腰部筋群の過緊張が原因です。この方も腰回りの筋肉が硬く、座っている姿勢が長いなどで負担の増加に伴い発症していました。
患者の問題を起こしている筋肉は、腰椎から骨盤部の主要な筋群です。同じ姿勢(座っているや立ちっぱなしなど)の場合横になっている時以外は常に大きな張力を発揮し続ける場所(歩いたり動かすと筋肉が伸びたり縮んだりするので柔軟性が維持しやすい)なので腰痛の原因になるのですが、この患者の場合左右差が顕著にありました。筋肉の柔軟性をマッサージや整体で回復させれば一時的に楽にはなるのですが、根本的に過剰な緊張状態を作り出す要因を取り除かなければなりません。特になぜ右側の腰部に症状が集中したのか?という問題を骨格の構造的に把握し、改善させていかなければならない症状でした。
具体的なアプローチ方法は上記に記載しましたが、当院のジョイントモーション理論による関節構造に対するアプローチが効果的でした。
純粋に筋肉の過緊張であっても、その付着と力学的な連動性を考慮した骨格へのアプローチを伴ってこそ筋肉組織の柔軟性および均等性を維持できるという分かりやすい症例でした。
当院では癒しとしてではなく日常生活に直結する筋骨格に由来する様々な症状に対応するカイロプラクティック整体を提供しています。馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にあります。横浜駅から京浜東北線・ブルーライン・みなとみらい線でのアクセスが便利です。
横浜周辺にお住まいお勤めの方で上記症状にお悩みの方は当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。