このような症状は、**足関節機能障害(Ankle Joint Dysfunction)**が関係している可能性があります。
足関節捻挫はスポーツで最も多い外傷の一つですが、腫れや痛みが治まった後も関節可動域や関節機能が十分に回復せず、違和感や引っ掛かりだけが長期間残るケースは少なくありません。
今回は、フットサル中の足関節捻挫後から約半年間続いた左足首の違和感が改善した症例をご紹介します。

横浜市中区・関内にお住まいの30代男性が、左足首の違和感を主訴にSpine カイロプラクティックへ来院されました。
症状は2023年、フットサル中に左足関節を捻挫したことから始まりました。
捻挫直後は軽度の腫れがみられましたが、数日で痛みや腫れは改善したため、ご本人も「治った」と考えていました。
しかし、その後から足首を反らす動作をすると関節が引っ掛かるような違和感を感じるようになりました。
日常生活では痛みもなく歩行にも支障がなかったため、数か月間そのまま様子をみていました。
ところがフットサルをプレーすると数日間違和感が強くなることを繰り返していたため、整形外科を受診されました。
レントゲン検査では骨に異常は認められず、
「捻挫は治っています。湿布を使って、足首をよく回してください。」
との説明を受けたそうです。
リハビリ設備のある病院にも通院しましたが、内容は自宅でもできるような足首の運動が中心で、症状の改善は感じられませんでした。
その後は自宅でリハビリを継続していましたが、約半年経っても違和感が改善しなかったため、根本的な原因を知りたいと考え、Spine カイロプラクティックへ来院されました。
【検査内容】
患者様が最も気になっていたのは「痛み」ではなく、足首が詰まるような違和感と動かしにくさでした。
日常生活にはほとんど支障はありませんでしたが、フットサルをプレーするたびに違和感が強くなり、
「このままスポーツを続けて大丈夫なのか不安。」という思いから来院されました。
また副訴として慢性的な腰痛も訴えられていました。
腰痛は長時間のデスクワークで徐々に出現する鈍痛であり、身体を動かすと軽減し、仕事以外の日常生活ではほとんど症状はありませんでした。
立位姿勢および歩行を観察しましたが、大きな姿勢異常や歩行異常は認められませんでした。
左右差も明らかではなく、見た目だけでは足関節の問題を判断できない状態でした。
腰部では脊柱起立筋全体に慢性的な筋緊張が認められましたが、左右差はほとんどありませんでした。
一方、左足関節を仰向けで評価すると、健側である右足と比較して左足がやや底屈位(下垂位)となっており、足関節周囲の静的アライメントに左右差が認められました。
この所見から、足関節周囲の関節機能に何らかの異常が存在する可能性が考えられました。
足関節の可動域を詳細に評価したところ、
左足関節では**背屈(足首を上へ反らす動き)**が明らかに制限されていました。
患者様もこの動作で、
「詰まる感じがあります。」
と訴えられました。
また底屈(足首を下へ伸ばす動き)では、前脛骨筋周囲が引っ張られるような違和感がありました。
内反・外反・回旋などその他の動きでは、大きな異常や疼痛は認められませんでした。
これらの結果から、足関節前方での関節運動障害が疑われました。
靭帯損傷の有無を確認するため各種整形学検査を実施しました。
いずれの検査でも足関節靭帯の不安定性は認められず、
慢性的な靭帯損傷や関節不安定症は否定的と判断しました。
筋力評価では、
と正常でした。
一方、
前脛骨筋は筋力自体は保たれていましたが、力を入れる際に違和感が生じたため4/5と評価しました。
神経学的な筋力低下というよりも、足関節機能障害に伴う筋機能の低下が関与している可能性が高いと考えられました。
【足関節機能障害に対する施術】
検査の結果、靭帯損傷や腱損傷、不安定性などの明らかな外傷性病変は認められませんでした。
また、整形学検査でも足関節の靭帯機能は正常であり、患者様が訴える「足首が詰まるような違和感」は、**関節そのものの機能障害(Joint Dysfunction)**が主な原因であると判断しました。
触診では、足関節を構成する複合関節の一つである舟状骨に上方変位(背側方向への変位)が認められました。
本来、足首を背屈(足首を反らす動き)させる際には、
などが連動して滑らかに動くことで、スムーズな足関節運動が行われます。
しかし今回の症例では、舟状骨の上方変位によって本来必要となる**舟状骨の下方への滑り運動(Inferior Glide)**が制限されていました。
その結果、足首を反らした際に関節前方で「詰まるような違和感」が生じていたものと考えられました。
施術ではまず、舟状骨本来の関節運動を回復させることを最優先に行いました。
Joint Motion Theoryに基づき、舟状骨の関節モビリゼーションを行い、下方への正常な滑り運動を回復させるよう施術しました。
これにより足関節背屈時に必要な関節運動が改善し、患者様が訴えていた「足首が詰まる感覚」の軽減を図りました。
さらに、舟状骨の位置異常に伴って過緊張を起こしていた
など足関節前面の筋群に対して軟部組織療法(Soft Tissue Therapy)を行い、筋肉の柔軟性と滑走性を改善しました。
施術直後には患者様自身も、
「さっきまであった詰まる感じがほとんどありません。」
と驚かれるほど、足関節背屈時の違和感が改善しました。
改善速度から判断し、
「この状態であれば2〜3回程度の施術で改善する可能性が高いと思います。」
と予後予測をご説明し、初回の施術を終了しました。
【施術予後】
経過を確認すると、
施術後数日間は違和感をほとんど感じることなく快適に過ごせたとのことでした。
その後、徐々に違和感は戻ってきたものの、
患者様は
「最初と比べると半分くらいまで改善しています。」
と話されました。
再評価では足関節背屈可動域がさらに改善していたため、
前回同様、
を継続しました。
患者様は、
「フットサルをしても違和感がほとんど出なくなりました。」
と話されました。
日常生活では症状は完全に消失し、
フットサル後にも以前感じていた足首の詰まりや違和感は認められませんでした。
足関節可動域も左右差がほぼ改善し、スポーツ時の機能にも問題がなくなったため、今回でカイロプラクティック治療を終了しました。
今後について相談したところ、
患者様は、
「また違和感が出たら治療を受けたいと思います。」
とのご希望でした。
定期的なメンテナンスを希望される患者様もいらっしゃいますが、今回は症状出現時に必要に応じてご来院いただく方針となりました。
【施術者の見解】
今回の症例は、典型的な**足関節機能障害(Ankle Joint Dysfunction)**によって引き起こされた症例でした。
スポーツ現場では足関節捻挫は非常に頻度の高い外傷ですが、腫れや痛みが改善すると「治った」と判断されることが少なくありません。
しかし実際には、関節可動域の異常だけが残存するケースは決して珍しくありません。
レントゲンやMRIで異常が認められなくても、関節運動そのものが正常に行われていない場合、スポーツ時だけ違和感や可動域制限が残ることがあります。

Spine カイロプラクティックでは、筋肉・腱・靱帯だけではなく、関節そのものの動き(Joint Motion)を評価することが根本改善には欠かせないと考えています。
筋肉や腱はすべて関節へ付着しています。そのため、関節運動の異常を改善しないまま筋肉だけを施術しても、一時的には楽になっても根本改善にはつながりません。
今回の症例は、Joint Motion Theoryによる足関節・舟状骨の機能改善が非常に有効であった代表的なケースでした。
適切な関節運動を回復させることで筋肉も本来の機能を取り戻し、わずか3回の施術でスポーツ復帰まで改善することができました。
Spine カイロプラクティックでは、
などに対し、関節機能と筋機能の両面から評価し、エビデンスを踏まえたカイロプラクティックケアを提供しています。
当院は馬車道駅徒歩1分、日本大通り駅徒歩8分、JR関内駅徒歩7分、JR桜木町駅徒歩12分とアクセスしやすい立地にあり、日本語・英語の両方に対応しております。
捻挫後の違和感がなかなか改善しない、スポーツ中に足首が詰まる感覚がある、病院で異常なしと言われたものの症状が続いているという方は、お気軽にSpine カイロプラクティックまでご相談ください。