2023年にフットサルをプレイしていた時に左足を捻挫した。捻挫は少し腫れた程度で、数日後には治った。しかしその後から違和感があり、足首を逸らす様な動作で引っ掛かりを感じる様になった。痛みは感じないため数ヶ月放置していたが、フットサルをやるために違和感が数日強く感じる傾向があったため整形外科を受診した。レントゲンを撮影したが特に異常がないため湿布の処方と足首を回す様に指導された。リハビリがある比較的大きな病院だったので通ったのだが、足首を回すなど家でもできることをされるだけであったため通うのを辞めて自分で暇な時に行っていた。
半年近く経っても違和感が改善されないため今回当院に来院した。
【検査内容】
問診
症状は痛みではなく稼働制限であった。詰まる感覚が左足関節にあり、日常生活では不自由が無かったため放置していた。しかし、フットサルを行う度に違和感が強く感じるため、何か改善させたいと思う気持ちがあり来院した。
副訴として、慢性的な腰痛も訴えている。こちらは鈍痛でデスクワークに従事していると痛みが感じ始める。朝の痛みなど時間帯で動けば楽になり、デスクワーク以外では訴えることはない。
視診
視診上の異常は特にみられない。
スタティックパルペーション(静的触診)
腰部脊柱起立筋の過緊張は強いが左右差は見られない。
左足首に関しては、仰向けで寝ている状態で見ると右足関節(健側)と比べると下垂(足首が下がる)している。
モーションパルペーション(動的触診)
関節可動域の検査から、左足関節の背屈(足首を上げる方向)に対する制限と違和感を訴えていた。低屈時(足首を下げる方向)には脛の筋肉が引っ張られる感覚がある。その他の動きにはあまり異常は感じなかった。
オーソペディックス(整形学検査法)
ラテラル/ミディアルスタビリティテスト(ー)靭帯の安定性検査問題なし
フットドローテスト(ー)靭帯の安定検査問題なし
筋力検査
腓腹筋/ヒラメ筋:5/5 前脛骨筋:力が入るが違和感のため評価4/5 長趾伸筋:5/5 母趾伸筋5/5
【施術内容】
上記検査結果から、違和感の問題が靭帯や腱関節ではないと判断できた。触診上の判断から足関節・舟状骨(足関節と手の関節は5〜8骨の複合関節)の上方変異(背面側に浮いてしまっている状態)になっていました。
足を逸らした時に、本来はこれらの関節が下方に稼働を起こすことでスムーズな足背屈運動が行えるのですが、今回の症例では舟状骨の上方変異の影響で、足関節背屈運動時に舟状骨の下方へのシフトに制限があることで、足を逸らした時の違和感が出ている状態でした。
施術はこの舟状骨の下方移動を作り出すことから始めました。この骨の動きが回復することによって、自分で足を上げた時に足首が”詰まる”感覚がなくなります。舟状骨の上方変異を修正。(内側縦アーチを減少させる方向)
脛骨に付着する趾伸筋群の緊張緩和(前脛骨筋や長短趾伸筋など)の緊張緩和などを行なった。
初回施術のみでも、患者は驚くほどの足首の背屈時の違和感が減少。直後経過から患者に「2回程度で良くなると思います」と予後予測及び施術回数を伝えて終了した。
【施術予後】
2回目(1週間後)来院時:来院時に症状の経過に関して聞くと、数日は快調で日常的に感じる違和感もなく過ごせたとのことだった。その後に少しずつ違和感が感じるようになったが当初に比べると半分ぐらいであると言っていた。
3回目(1週間後)来院時:症状はほとんどなくなり、フットサルをしてもその後の違和感が出ることがなくなったため施術を終了した。
患者の意思を確認した上で、また症状が出たら治療を受けたい(症状が出ないように予防をしたいと考える方もいる)とのことだったので3回のセッションでカイロプラクティック治療を終了した。
【施術者の見解】
この方の症状は典型的な足関節(舟状骨)機能異常によって誘発された症状でした。関節可動域の問題は現代医療の中で考慮外の場合が少なくありません。(スポーツに携わる医療は別です)
筋肉や腱/靭帯の問題であっても、付着する部位が関節のため関節可動域や位置の問題点を除外して考えることは、軟部組織の問題の根本を捉えることができなくなるとSpineカイロプラクティックでは考えます。
今回の症状はSpineが考えるJoint Motion治療が有効であった症例です。筋肉の正常な機能を維持するためには、関節の機能解剖を理解しながら適切な施術を行わなければ何回施術を受けても症状の改善にはつながりません。当然痛み止めの処方や湿布などの処置は効果がありません。
このような症状でお困りの方は、東急東横線馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にある、当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。