右肩の前面の痛みによる来院症例報告

3週間前から右肩の痛みがあり、1週間前から急に肩が上がらなくなった。痛くなり始めて行った病院で診てもらったのだが、「五十肩ですね」と先生に笑って言われ、湿布と痛み止めの処方のみであったため病院では治療してもらえない…と判断し、関内付近で検索していたところ当院のHPを見つけて症状に関して詳しく書いていたため来院したとの事であった。

カイロプラクティックを受けた経験は今まで無く、どの様なことをするのか不安だったがHPで見た感じしっかり治療してくれそうだと感じ来院してみようと思った。


【検査内容】

問診:数年前から筋トレを始め、毎週1〜2回を継続していた。今まで大丈夫だったのだが3週間前にベンチプレスを行った時に右肩を少し痛めたようで、その後しばらく肩の前側に痛みを訴える様になった。痛めた最初のうちは自由に動かせ、運動時のみ(ベンチプレスのように肩を水平に後ろに引く動作)に痛みが感じられていたのだが、1週間前くらいに朝起きたら肩が全体的な痛みを起こし、挙げられなくなった。痛み始めた時に病院を受診したが、前述したような対応だったため当院を探し来院した。

視診:問診中に座位での姿勢を観察するのだが、右肩が左肩に比べると前方へ出ている状態であった。

スタティックパルペーション(静的触診)

三角筋前部繊維の緊張(+)上腕二頭筋腱疼痛(+)鎖骨下筋圧痛(+)小胸筋緊張&圧痛(+)

モーションパルペーション(動的触診)

肩関節外旋位(親指を上向き)での肩挙上=痛みのため80°程度しか上がらず

肩関節内旋位(親指が下向き)での肩挙上=痛みは少なく120°程度まで上げれる

中間位(手の甲が上向き)での肩挙上=痛みのため90°程度の挙上範囲

肩関節水平位(肘を曲げて90°横に上げる)での内旋時に痛みが強い

オーソペディックス(整形学検査法)

ペインフルアーク(+)ダウバンテスト(+)コッドマンサイン(ー)ヤーガソンテスト(+)スピードテスト(+)

筋力検査

三角筋(痛みのため姿位維持できず)・上腕二頭筋(4/5)・他は行わず


【施術内容】

上腕二頭筋長頭腱炎の疑いが最も強かったため、初回の施術は炎症を抑えるために超音波療法とアイシングを行った。3週間の亜急性期間の痛みのために周囲筋群の緊張も高い状態になっていたため、その周辺組織の緊張を取ることを行った。関節可動域の減少も伴っていたが、これが炎症による癒着による(その可能性が高いと判断していた)ものか、純粋に周囲筋群の過緊張によるものなのかは初診では判断できなかったため、この時点では炎症の鎮静化と軟部組織の柔軟性の改善に努めた。


【施術予後】

2回目来院(1週間後):まだ痛みがあり、上げる角度などに変わりはなかった。ただ痛みが若干おさまっているような感じだと訴えていた。施術は初回と同様の施術を行なった。しかし、他動時(自分の力は抜いた状態で他者が動かす行為)に少し可動域が上がっていたので、少しずつ肩周辺の関節(鎖骨関節)の動きを回復させるような施術も行なった。

3回目来院(1週間後):前回の施術後から痛みの強さと共に少し可動域が上がったと訴えたので、筋肉の柔軟性の回復と共に腱や靭帯にかかる負担の軽減が見られていると判断し、積極的に肩関節の可動域を広げていくような施術を取り入れた。この施術の大きなポイントは、右肩関節の前方変異(巻き肩)の修正です。

施術終了後に「今回は積極的に関節を動かしたので、もしかしたら腱や靭帯に刺激による疼痛が出るかもしれません。その様な場合はアイシングして下さい」と伝えた。

4回目来院(1週間後):やはり、当日夜に動かすと痛みが出る状態があったため、アイシングをして冷やしたと訴えていた。2日位痛みが出たため冷やしたとのことだったが、3日目くらいから痛みはなくなり肩が以前よりも軽く動かせる様になったと言っていた。施術は継続的に関節の可動域を広げる施術に移行し、同じアドバイスを伝えた。日数を空けても大丈夫であろうと判断し、今後は2週間に1回の施術に切り替えた。

5回目来院(2週間後):前回施術時に出た肩関節の痛みは出ず、2週間に空けたからといってまた施術開始前の状態に戻るということはなかったため、継続的に関節可動域を増やす施術を積極的に行なっている。今後はこの間隔で大丈夫との判断を下し、現在も経過を見ている。

今現在も施術を継続中だが、当初の痛みに比べると比べると70%減にまで落ちているとのことだった。

まだベンチプレスなど、高負荷をかけるような動作は控えるように伝えているが、座って行うチェストプレスなどを軽重量で動きの確認と、慣らす目的で行っても良いという指示をした。


【施術者の見解】

この方の症状は、スポーツ障害と言っても良い症状でした。ベンチプレスなどの種目でありがちなのですが、バーを胸まで落とす動作の際に胸筋はもちろんだが、上腕二頭筋腱も同時にストレッチされます。そこから持ち上げる際に腱の部分に負荷がかかり痛めてしまうケースがあります。(フォームが下手だと痛めやすい)また、ベンチプレスで上腕二頭筋腱を痛めてしまった大きな理由の一つに、右肩関節の前方変異(巻き肩)がありました。巻き肩がある状態で上記したようなフォームの不具合を伴っていたために、腱の部分が凸方向へストレッチされた関係で痛めたことから炎症が始まったのでしょう。

カイロプラクティックでの診断権は日本国では認められていないため、あくまでも個人的な意見としてになりますが、お医者さんに言われた「五十肩」ではなく、上腕二頭筋腱炎だと判断しました。

肩関節周囲の軟部組織の柔軟性を保ちつつ、関節の前方変異(デスクワークなどの仕事に従事している場合になりやすいです)を修正していけば症状の改善及び将来疾病率低下をしていけると伝え、まだ施術経過観察段階であるが今後は予防的なメンテナンスケアに移行していく意思があると患者が言っていた。

スパインカイロプラクティックでは、筋骨格に起因する症状の根本的な改善はもとより、将来的な症状の再発を予防していく事が本来の代替医療のあり方だと考えています。健康のためにおこな運動を健康に続けるためにも健康の導き手になる様に心がけています。

このような症状でお困りの方は、東急東横線馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にある、当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。