慢性的な腰痛がある中での突然のぎっくり腰

関内在住の会社員の方が仕事中に椅子から立ち上がる瞬間にぎっくり腰になり来院した。

症状は左腰に痛みが強くあり、少し足を引きずるような状態で来院した。

元々慢性的な腰痛を感じており、仕事柄多くの時間をデスクで過ごしているため椅子から立ち上がる時などにゆっくり立つように心がけていた。運動習慣などは特になかったが、休日の日などに近場に行く時は車などを使わずに意識的に歩くように心がけていた。

動かすとしばらくは腰痛も軽くなるので会社でもそのように心がけていたが、コロナ以降テレワークをするようになり、あまり動く機会が少なくなったため近年は腰痛の発症率も高くなったように感じていた。


【検査内容】

問診:問診中に座って話を聞くのだが、座っていると立ち上がる時に痛みが強く出て辛いので、立って手短に問診を行った。痛みは左側にあり、少しの動作で激痛になるため動かせない。座って仕事ができないため、会社の休みをもらい家でも3日間はほぼ寝て過ごしていたとのことだった。

痛みの発症動作は屈曲位が最も強く、ほとんど曲げることができない状態であった。伸展位(逸らす方向)はまだ痛みが少なく、動作を行うことができる。

ベッドから起き上がるのがかなり苦労し、ズボンや靴下を履く、顔を洗う、椅子から立ち上がるなどの動作はかなり難しいとのこと。

視診:問診は立って行ったが、痛みから逃げる姿勢(逃避姿勢)になっており、明らかに体重を右側に傾けるように立っていた。

スタティックパルペーション(静的触診)

伏臥位(うつ伏せ寝)の状態で確認すると、明らかに左右の脊柱起立筋および腰方形筋の緊張差が顕著であった。また腰椎の前弯が完全に消失しており、背骨がフラットな状態になっていた。

仰臥位(仰向け寝)は痛みが強いため、施術を施していく中で行なっていくことにしたため検査では確認せず。

モーションパルペーション(動的触診)

痛みが強いため伏臥位のみでの検査だが、どの動作に対しても左腰の痛みの誘発が見られるため行わなかった。

オーソペディックス(整形学検査法)

アダムスサイン(+)左腰痛の誘発のため/ネリーバウィングテスト(ー)/SLR(ー)/ベクタルーシッティング(座らせていないため検査せず)/ベルサルバ(ー)/ベルトテスト(検査せず)

筋力検査

痛みのため行なっていない。


男性は腰痛発症率が第一位です。


【施術内容】

痛みが強かったため専用のベッドで、ベッドの角度をやや上げで抗重力体位を作り施術を開始。脊柱起立筋・腰方形筋・臀筋群の緊張差を取り除く施術を施したが、あまり筋肉を緩めすぎると体幹支持性の低下を招くので、緩めるというのではなく「機能改善」としての柔軟性をつける目的の操作を筋肉に施した。

しかし最も根本的に改善させていかなければならないのは、腰椎の前弯消失である。丁寧かつ慎重に、腰椎に対しジョイントモーション理論を使い可動域をおよび形状の改善を行なっていった。


【施術予後】

初回:まだ痛みは残っていたが、施術直後にベッドからの起き上がりや、歩いた時の感覚などが軽減していたことに感動した様子であった。生活での注意点などを指導して終了。急性症状なので3日後の来院を提案した。

2回目(3日後):朝の痛みはまだ強く、起き上がる時に一苦労している。しかし、日中の痛みの軽減はかなりみられ、椅子から立ち上がるなどの動作は楽になっていた。次回は少し間隔を空けて1週間後の来院を提案した。

3回目(1週間後):2回の施術で痛みの軽減がかなりみられ、日中の痛みはほぼ0になった。まだ朝起き上がる時は強張りがあるが、痛みというわけではないので慎重に起き上がりさえすればその後問題なく生活できるようになった。1週間後でも痛み軽減状態が維持できているため、2週間に間隔を空けて様子をみることにした。

4回目(2週間後):3回目の施術後に仕事が急に忙しくなった関係で在宅での残業が増え、1週間後にかなりキツい状態が起こった。コチラに電話をしようと考えていたが、腰痛が強く出た日の夜にスパインカイロプラクティックで教わったストレッチをしたら軽減したためその後は毎晩しっかりストレッチをするようにしたら症状は落ち着いたため2週間後に来院した。

ストレッチによる症状軽減がみられたのは良いことだが、腰部起立筋の左右緊張差が顕著に出ていたため初回同様に入念な均等化を行い、腰椎の前弯消失も顕著化していたため施術時間を割いた。

長時間の座位姿勢を伴う2週間という施術間隔の長さが影響したと思われるため5回目はまた1週間で来院してもらうことにした。

5回目(1週間後):痛みは殆どなく過ごし、ストレッチも毎晩入念に行なっているため患者自身の判断もありカイロプラクティック治療を終了。

6回目(1ヶ月半後):その後調子が悪くなり、ぎっくり腰にはなっていないがいわゆる腰痛が継続的に出ており、ストレッチをしていても効果が出にくくなっている実感が出たため来院。

施術後やはりかなり楽になっていたため、本人の希望でメンテナンスに移行

現在月に1回の予防的なカイロプラクティック治療を3ヶ月継続している。


【施術者の見解】

ぎっくり腰…みなさん40代を超えると一度はなったこともある方もいらっしゃると思います。

別名:魔女の一撃と言われるこの症状は、ある日突然激痛に見舞われる症状です。前段階として、慢性的な腰痛を感じていた方もいれば、何も感じずいきなり激痛に襲われる方もいます。

しかし、痛みがないから健康…や凝ってる痛みくらいだから大丈夫…と侮ってはいけません。神経が関連する症状では代表的に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などがあります。(他にも筋ジストロフィー・パーキンソン・重症筋無力症・筋萎縮性側索硬化症など色々ありますが、これらの症状はカイロプラクティック適応外なので即病院で医師の診療を受けましょう)

神経が関連しない症状に限っても、慢性疼痛症・リウマチ・痛風/偽痛風・繊維性筋痛症・筋肉痛・尿酸血症・骨粗鬆症・慢性疲労症候群などもっと多数ありますが、カイロプラクティックで扱う症状で一般的な日常生活で感じやすいのが筋疲労性の疼痛=慢性緊張や、その状態が長期間続くことによって起こるスパズム(引き攣れ)、慢性的な筋肉痛などです。

この方の症状は、慢性的な腰部脊柱起立筋/腰方形筋/腸腰筋の筋群緊張が続いていたため、少しのきっかけでぎっくり腰を発症してしまいました。

また、元々腰部脊柱前弯消失傾向があったのでしょう。筋肉のみでなく骨格の構造的な変化を作っていかなければ再発を容易に起こす状態でした。

現在は再発することなく継続的なメンテナンスで良い状態を過ごされています。スパインカイロプラクティックでは、カイロプラクティック適応症と不適応の判断は元より、根本的な発症や再発を制限していくような施術を心がけています。

横浜周辺や関内・桜木町・馬車道・日本大通りでご勤務もしくはご在宅している方でぎっくり腰や腰痛でお困りの方はスパインカイロプラクティックにお越しください。誠心誠意の心を持って施術に当たらせていただきます。