仕事でヒールを履く機会が多い50代女性が、右足裏の痛みを訴えて来院されました。
最近、勤務先で週4日の出社が推奨されるようになり、通勤時に仕事用のパンプスやローヒールを履く機会が増えたことで、足裏に痛みを感じるようになりました。
不思議なことに痛みは右足裏だけに出ており、デスクワーク中は痛みが軽減するものの、通勤時や社内を歩き回ると痛みが出てくる状態でした。
夜になると右足裏が若干疼くことがあり、毎晩アイシングを行っていました。
痛みが続いていたため近所の整形外科を受診し、レントゲン検査を受けましたが、骨には明らかな異常は認められませんでした。
整形外科では「足底腱膜炎」と説明され、痛み止めを処方されて経過観察となりました。
週1回のペースで通院していましたが、特に積極的な治療は行われませんでした。
3回目の受診時に「改善しないようであればインソールを試してみてください」と勧められたためインソールを購入しましたが、使用すると逆に痛みが強くなったため、しばらく使用した後に中止しました。
痛みが出始めて1ヶ月以上が経過しても改善しなかったため、何とか症状を改善できないかとインターネットで検索。
鍼治療や整体、カイロプラクティックが足底の痛みに有効だという口コミをSNSで見つけ、当院を受診されました。
鍼は「刺されるのが怖い」とのことで、整体・カイロプラクティックのような施術を受けるのは当院が2件目でした。
「ここで改善しなければ大きな病院を受診しよう」と考えていたとのことでした。
【検査内容】
痛みは主に足裏の親指側に出ることが多く、自宅で足をなるべく使わずに過ごすと徐々に楽になりますが、歩くとほぼ必ず痛みが出るとのことでした。
運動靴はクッション性があるため比較的楽で、休日はもちろん、出勤時も客先へ行くなどの予定がない場合は、車内で仕事用の靴から運動靴に履き替えるようにしていました。
立位で確認すると、右膝が内側に入り、右足のつま先が外側を向いている状態が目立ちました。
足裏に痛みがあるものの、下肢全体のアライメントを確認すると、膝と足部の位置関係に特徴があることが分かりました。
この所見から、足底だけではなく、膝・股関節・足関節を含めて評価する必要があると考えました。
立位および仰臥位で確認したところ、右側の大腿四頭筋、特に内側広筋の緊張が高くなっていました。
座位では、左右の筋緊張に明らかな差は感じられませんでした。
また立位では、右側のヒラメ筋内側および長腓骨筋にも緊張が認められました。
膝関節の動きを確認したところ、外旋方向への可動制限が認められました。
その他の関節については、明らかな異常は認められませんでした。
股関節から足関節まで各種整形学的検査を行いましたが、明確な陽性反応は認められませんでした。
ただし、ニーアダクション検査では、押圧した右膝内側に圧痛が確認されました。
足関節周囲の筋力を確認しました。
前脛骨筋は右4/5で、筋力自体は発揮できていましたが、患者様から「左側に比べて力を入れにくい」との訴えがありました。
【施術内容】
立位で右膝が内側に入り、つま先が外側を向いていることから、足部だけでなく膝・股関節を含めた下肢全体の位置関係を確認しながら施術を行いました。
足部については、単純な「回内」として捉えるのではなく、膝の内旋位と足部の外旋位が組み合わさった結果として、足部に特徴的なアライメントが生じている可能性を考えました。
そのため、足底の痛みに対して足底腱膜だけを直接施術するのではなく、骨盤・股関節・膝・足関節の位置関係や動きにも着目しました。
初回は、右膝が内側に入りやすい状態と、つま先が外側を向きやすい状態の改善を目的として、関連する筋群の緊張を緩和し、膝・足関節周囲の関節にアプローチしました。
さらに、足底腱膜およびその下を走行する足趾屈筋群にも施術を行いました。
施術後の状態を確認し、5日後に再来院していただくこととしました。

【施術予後】
施術後の経過を確認すると、帰宅途中には痛みが出てしまい、初回施術後には大きな変化を感じなかったとのことでした。
ただし、初回施術のみで反応を判断するのは早いと考え、同様のアプローチを継続しました。
今回は足部・膝だけではなく、股関節と骨盤にも施術範囲を広げ、下肢全体のバランスを考慮して施術を行いました。
前回と同様、1週間以内の再来院としました。
来院時には痛みが初期と同程度まで戻っていました。
しかし、初回とは異なり、施術後数日間は痛みが軽減していたとのことでした。
一時的ではあるものの症状が軽減する期間が確認できたため、引き続き足部だけではなく、股関節・膝・足関節を含めた下肢全体の状態を確認しながら施術しました。
今回は施術後、膝から太腿内側、足関節にキネシオテーピングを行いました。
また、自宅で行うエクササイズとして、足の外側の筋群とふくらはぎ内側の筋群を使うトレーニングを指導しました。
次回は1週間後としました。
来院時には「この1週間は、ほとんど痛みが出なかった」とのことでした。
多少の違和感は残っていましたが、初回と比較すると痛みは2〜3/10程度まで減少していました。
症状が安定してきたため、同様の施術を行った後、次回までの間隔を2週間に延ばしました。
2週間後に来院。
時間が経過すると2週目に痛みが出てくることがあるものの、それでも初回と比較すると痛みは約半分程度に収まっているとのことでした。
引き続き同様の施術を行いました。
また、初回と比較すると膝と足関節の位置関係にも改善が見られ、2週間の経過中もその状態をある程度維持できるようになっていました。
自宅で指導したエクササイズにも継続して取り組んでおり、こうしたセルフケアへの取り組みも症状の改善・維持に寄与した可能性があります。
毎回、施術後にはキネシオテーピングを行っていましたが、途中から患者様自身でテーピングを行えるよう巻き方を指導しました。
また、下肢の関節位置や歩行パターンに変化が生じることを考慮し、現在使用している靴についても見直し、新しい靴への変更を提案しました。
その後、2週間隔で行っていた集中的なカイロプラクティック施術のフェーズを終了し、3〜4週間に1回のメンテナンスへ移行しました。
【施術者の見解】
初診時に立位で姿勢を確認した際、右膝が内側に入り、それに対してつま先が外側を向いている状態が目立ちました。
患者様は足裏の親指側に痛みを訴えていましたが、足底だけを見るのではなく、膝・股関節・足関節を含めて確認すると、下肢全体の動きや位置関係に特徴がありました。
今回の症例では、歩行時に右膝が内側へ入り、つま先が外側を向きやすい動きのパターンがあり、その結果として足部の特定の部位に負荷が集中していた可能性があります。
ただし、足底腱膜炎の痛みは局所の組織への負荷だけでなく、活動量、履物、歩行量、体重負荷など複数の要素が関係するため、「膝のねじれだけが原因」と考えるべきではありません。
今回、足底腱膜そのものへの施術に加えて、股関節・骨盤・膝・足関節の動きや筋緊張にも着目したのは、患者様の歩行時に見られた特徴的な下肢の使い方が、足底への負荷に関与している可能性があると考えたためです。
また、施術だけでなく、自宅でのエクササイズ、テーピング、履物の見直しなども併せて行いました。
症状が徐々に安定していった経過を考えると、施術そのものだけではなく、患者様がセルフケアを継続したことや、足にかかる負荷を調整したことも、改善を維持する上で重要だったと考えています。
足底に痛みがある場合でも、痛みのある場所だけを見るのではなく、「なぜその場所に負担がかかっているのか」という視点から、股関節・膝・足関節を含めた身体全体の動きを評価することが重要だと考えています。
今回の症例では、足底腱膜への直接的なアプローチだけではなく、下肢全体の動きや姿勢、歩行パターン、セルフケアまで含めて対応したことが、症状の改善と再発予防につながる可能性があると考えています。
当院では癒しとしてではなく日常生活に直結する筋骨格に由来する様々な症状に対応するカイロプラクティック(整体)を提供しています。馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にあります。横浜駅から京浜東北線・ブルーライン・みなとみらい線でのアクセスが便利です。
横浜周辺にお住まいお勤めの方で上記症状にお悩みの方は当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。