仕事でヒールを履く機会が多い女性の方が右足裏の痛みを訴えて来院した。
最近会社が週4日の出社を推奨するようになったことで、出勤時に仕事用のパンプスやロウヒールを着用時に足裏に痛みを伴うようになった。
なぜか右の足裏のみに痛みを感じデスクワークをしているときは痛みが和らぐが、通勤時や社内を動き回ったりすると痛みが出てくる。夜には若干疼くような状態が毎晩出るのでアイシングをするようにしていた。
痛みが継続的だったので近所の整形外科に受診し、レントゲン撮影をしたが異常は見つからず、医師から「足底腱膜炎ですね。痛み止めを処方しておくので様子を見て下さい」との事で、週に一回通院した。特に治療などは無かったが、3回目の来院時に医師から「治らないようならインソールとか買ってみて下さい」と言われたのでインソールを購入。しかし逆に痛くなりしばらく使用した後辞めてしまった。
痛くなり出して1ヶ月以上が経過したのでどうにか改善できないか?と思いネットで検索したところ、鍼治療か整体やカイロプラクティックが有効だという口コミをSNSで見たため試してみようと思い当院に来院した。
針は刺されるのが怖いということで、整体のような治療は当院が2件目という事であった。ここでダメだったら大きな病院に行こうと考えているということであった。
【検査内容】
問診:
痛みは主に親指側に出ることが殆どで、家で使わないようにすれば痛みが徐々に楽になるが、歩くと必ず痛みが出てしまう。運動靴の方がクッション性がある分ラクなので、休日はもちろん会社に出社時でも客先に行く…などの用事がない限りは車内で運動靴に履き替えている。
視診:
立った時に右膝が内側に入り、つま先が外側に向いていることがすぐに目に入りカンが働いた。(その理由は後述する)
スタティックパルペーション(静的触診)
立位仰臥位共に右側大腿四頭筋の内側広筋の緊張が高い。(座位時は触診嬢のテンションに差は感じられなかった)
立位時に右側のヒラメ筋内側及び長腓骨筋共に緊張している。
モーションパルペーション(動的触診)
膝関節:外旋運動制限
その他異常なし
オーソペディックス(整形学検査法)
股関節から足関節に対し、検査実践したが整形学検査法としての陽性反応は見られなかった。
しかし、ニーアダクション検査時に押圧部位(膝の内側)に圧痛があった。
筋力検査
足関節のみ実践
前脛骨筋:右4/5 力は入っているが、左より入れづらいと訴えていた。
【施術内容】
膝関節が内側に入っているのがみられるのでその状態とつま先が外を向いている状態を修正した。
下の図でいうと回内という状態であったが、この図のように単純な話ではなく、膝の内旋位とつま先の外旋位(文章に起こすと想像しづらいかもしれません:膝が内側に入ってつま先が外側に向いている状態)による副次的な要素としてこのような状態が起こっており、根本的には骨盤を含む股関節・膝・足首の関節位置関係を改善させ、その状態を正しく認識するためのトレーニングが必要になるでしょう。
初回施術は膝が内側に入っている状態の修正とつま先が外側に向いている足の関節の矯正を行いました。このような関節位置を作り出す筋群の緊張緩和と共に関節位置の矯正また、足底腱膜やその下の趾屈筋(指を曲げる筋肉)を緩める施術を行い、5日後に来院することになった。
【施術予後】
2回目:その後の状態を聞くと、帰りには痛みが出てしまいあまり変化がみられないとのことであった。しかし1回目の施術なので有効性の有無を判断するには早かったため、同様の施術を行った。しかし、初回と違うのは股関節と骨盤に対しての施術を行い、総合的なバランス偏位を作り出すように意識した。前回と同様1週間以内の来院を指示した。
3回目:来院時には同程度の痛みに戻っていたが、初回と違い数日間痛みが軽減していたため前回同様に症状を総括的な観点から診て施術した。今回は施術後に膝から腿の筋肉内側と足関節にテーピングを施した。また、患者にエクササイズとして足の外側の筋肉とふくらはぎの内側のトレーニングを指導した。来院は1週間後とした。
4回目:来院時痛みが1週間ほぼ出なくなったと訴えていた。違和感程度は感じるものの、当初に比べると2~3/10程度まで減少しているとのことだった。施術は同様の施術をして2週間に間隔を広げた。
5回目:2週間後に来院してもらった際には、時間が経過して2週目に痛みが出てくるようだがそれでも初回に比べたら半分程度に収まっているとのことであった。
施術は同じ治療を継続したが、初回に比べると膝と足首の位置関係に改善が見られ、2週間の経過の中でも状態維持ができてきていることが症状の改善維持につながっているのであろう。
また、この方は私が指導した運動療法も自宅で行なっているようなので、患者の努力も症状の改善維持に大きく貢献していた。
毎回最後にキネシオテーピングを施しているが、その巻き方の指導を行い実践していることも効果の持続に貢献していると思われる。
また、関節の位置関係を変えたことによる歩き方の変化が起こるため、靴の新調を行うようにお願いした。
現在は2週間の、症状を良くする「カイロプラクティック治療」のフェーズは終了し、3〜4週間に1回のメンテナンスフェーズに移行して様子を見ている。
【施術者の見解】
初診時に立位での状態を見たところ、この方の姿勢が膝の内旋に対してつま先が外側に向いている事が気になったため、痛みが足底にあるが根本的な問題は膝関節及び足関節の軸の捩れにあると判断した。
歩き方のクセなのであろう、膝がやや内側に入り、つま先が外側に向くように歩いているため足裏の親指側に負担集中する状態が今回の痛みを誘発していた。
痛みを起こしている場所のみでなく、「なぜその痛みが誘発されるのか?」を包括的に考えて施術していくべき症例であった。
当院では癒しとしてではなく日常生活に直結する筋骨格に由来する様々な症状に対応するカイロプラクティック(整体)を提供しています。馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にあります。横浜駅から京浜東北線・ブルーライン・みなとみらい線でのアクセスが便利です。
横浜周辺にお住まいお勤めの方で上記症状にお悩みの方は当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。