
17歳の男子高校生が、バスケットボールの練習や試合でジャンプをすると右膝が痛むようになり、Spine Chiropracticへ来院しました。
約2か月前、バスケットボールの試合中にシュートを打つ瞬間、右膝に違和感を感じたことが症状のきっかけでした。
その後も部活動を続けていましたが、徐々に痛みが強くなり、最終的には歩いているときにも右膝の痛みを感じるようになっていました。
整形外科を受診してレントゲン検査を受けましたが、「骨には特に異常がない」と説明され、湿布を処方されていました。
その後、親御さんと一緒に整骨院にも通い、週2回程度、電気治療や太もものマッサージを受けていました。
施術後は1~2日ほど痛みが軽くなるものの、その後また元の状態に戻るということを繰り返していました。
最近では痛みが出る頻度も増え、バスケットボールの試合でも交代要員として短時間しかプレーできない状態でした。
「できるだけ早く痛みを改善して、試合にフル出場したい」という本人の希望もあり、親御さんが自宅から通いやすい整体・カイロプラクティックを検索したところ、GoogleマップでSpine Chiropracticを見つけ、「症状の一覧に膝の痛みが載っていたので来院しました」とのことでした。
【検査内容】
約2か月前、バスケットボールの試合中にシュートを打つ瞬間、右膝に違和感を感じたことから症状が始まりました。
その後、病院や整骨院で施術を受け、自分でも膝をマッサージしたり湿布を使用したりしていましたが、十分な改善はみられませんでした。
バスケットボールの試合では痛みのためにプレー時間を制限されており、できるだけ早く改善してフル出場したいという希望がありました。
視診上、明らかな異常は認められませんでした。
右大腿四頭筋の筋緊張が左側と比較して高く、特に内側広筋の緊張が強く認められました。
また、右内転筋群にも筋緊張の増加がみられました。
右股関節の外旋可動域に制限が認められました。
膝関節の屈曲自体に明らかな痛みはありませんでしたが、右膝を曲げた際の可動域は左側と比較して小さくなっていました。
股関節・膝関節に関連する明らかな筋力低下は認められませんでした。
ただし、大腿四頭筋、特に内側広筋および大腿直筋の筋力検査時に、患者本人から右膝に違和感があるとの訴えがありました。
【施術内容】
今回の症例では、ジャンプの「着地」よりも「ジャンプする瞬間」に痛みが強く出ることに注目しました。
検査では右大腿四頭筋の筋緊張が高く、股関節の可動性にも左右差がみられたため、膝だけを見るのではなく、膝関節の動きに関係する股関節・骨盤・体幹を含めて評価することにしました。
まず、大腿四頭筋、内転筋群、臀部周辺などの筋緊張に対してアプローチを行いました。
また、股関節や膝関節の動きに影響すると考えられる腰椎・骨盤・仙骨周辺の関節可動性を確認し、必要な部位にアジャストメントを行いました。
今回の施術では、膝の痛みがある部位だけに直接アプローチするのではなく、股関節・骨盤・膝を含めた下肢全体の動きに着目しました。
初回施術後の経過を確認するため、2日間の練習を行った後、3日後を目安に再来院してもらうことにしました。
【施術予後】
初回施術後、2日間バスケットボールの練習を行いました。
練習中にはやはり右膝の痛みが出ましたが、本人からは「痛みの強さが以前より弱く、痛みが続く時間も短くなった」との報告がありました。
初回と同様に、大腿四頭筋や股関節周囲の筋肉、腰椎・骨盤・股関節・膝関節の状態を確認し、施術を継続しました。
また、膝蓋腱への負荷を考慮し、局所に超音波療法を行いました。
膝蓋腱周辺に加え、痛みがやや内側に感じられていたため、内側広筋周辺にも超音波療法を行いました。
施術後には、膝の曲げ伸ばしやジャンプ動作がかなり軽く感じるとのことでした。
施術後の反応を確認するため、次回は1週間後としました。

次回来院までの間に、バスケットボールの練習は4回ありました。
練習を重ねると右膝に痛みが出ることはありましたが、本人から指導していたアイシングと膝蓋骨周辺のセルフマッサージを行うと、翌朝には痛みがなくなっているとのことでした。
そのため、以前のように痛みを理由にプレー時間を制限する必要がなくなり、再び試合にフル出場できる状態になっていました。
また、毎回の検査で骨盤と股関節周囲の動きに左右差がみられたため、今回もその修正を行いました。
新たに、練習前のウォームアップとしてゴムバンドを使用したレッグプレスとスクワットを指導しました。
ただし、運動によって膝の痛みが増える場合には無理に行わないよう注意しました。
練習後に痛みが出ることはあっても、以前より軽く、比較的早く回復する状態になっていたため、改善傾向にあると判断しました。
施術を継続したうえで、次回まで2週間の間隔を空けて経過を確認することにしました。
2週間の間、指導した筋力トレーニングを継続してもらいました。
来院時には、
「先生が言った通り、練習前に筋トレすると痛みが出ないです」
とのことでした。
2週間の間隔を空けても、痛みが出る頻度や強さは大きく減少しており、仮に痛みが出ても短時間で回復する状態になっていました。
日常生活やバスケットボールへの影響もほとんどなくなっていたため、今回を一区切りとして、症状に対する集中的な施術を終了しました。
今後、再び痛みが続く場合にはいつでも相談するよう伝え、今回の施術を終了しました。

【施術者の見解】
今回の症例では、膝前面の痛みが主症状だったため、まずオスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)やジャンパーズニー(膝蓋腱障害)など、成長期のスポーツ選手にみられる膝前面痛を鑑別する必要があると考えました。
オスグッド・シュラッター病は、脛骨粗面に痛みや圧痛が生じる成長期の牽引性障害で、ジャンプやスクワットなどの動作で症状が悪化することがあります。一方、ジャンパーズニーと呼ばれる膝蓋腱障害では、膝蓋骨下極から膝蓋腱にかけての痛みが特徴的で、ジャンプやランニングなどの負荷で症状が誘発されます。
今回、整形外科では「骨に異常はない」と説明されていました。また、今回の検査ではオスグッド・シュラッター病で典型的にみられる脛骨粗面の圧痛などが認められなかったことから、今回の症状はオスグッドよりも膝蓋腱周辺への負荷によるジャンパーズニーが疑われる症例と考えました。
ただし、オスグッド・シュラッター病と膝蓋腱障害は成長期のスポーツ選手における膝前面痛の鑑別として重なる部分もあるため、症状の部位や圧痛、動作による変化、成長期であることなどを含めて評価することが重要です。
今回の患者さんは、ジャンプして着地する瞬間よりも、ジャンプするために大腿四頭筋が強く収縮する瞬間に痛みが出るという特徴がありました。
そのため、膝だけを施術するのではなく、大腿四頭筋を中心とした筋肉の状態に加えて、股関節・骨盤・体幹を含めた下肢全体の動きにも着目しました。
また、ジャンパーズニーのような膝蓋腱障害では、スポーツ活動による腱への負荷を適切に管理しながら、段階的に腱へ負荷をかけていく運動が重要とされています。
今回も単に施術を行うだけではなく、練習前の筋力トレーニングやセルフケアを指導し、患者さん自身にも身体の状態を管理してもらいました。
特に、
「練習前に筋トレをすると痛みが出ない」
という本人の報告からも、運動前のウォームアップや筋力トレーニングが、この患者さんの症状管理に役立っていた可能性が考えられます。
ただし、今回の症例だけから、特定の筋力トレーニングや施術が痛みの改善を直接引き起こしたと断定することはできません。
今回のようなスポーツ障害では、痛みのある部位だけを見るのではなく、競技動作、練習量、痛みが出るタイミング、筋力や関節可動性などを総合的に評価することが重要だと考えています。
この患者さんはその後、痛みなくバスケットボールの試合にフル出場できるようになり、親御さんから「前の大会で準優勝しました!」との報告をいただきました。
Spine Chiropractic(スパインカイロプラクティック)は、横浜市中区・馬車道にあるカイロプラクティック専門院です。
バスケットボールやランニングなど、スポーツによる膝の痛みや筋骨格系の症状について、痛みのある部位だけでなく、股関節・骨盤・足関節など身体全体の動きを評価しながら施術を行っています。
馬車道駅6番出口から徒歩1分、JR関内駅から徒歩7分、日本大通り駅から徒歩8分、JR桜木町駅から徒歩12分です。
横浜・馬車道・関内・みなとみらい周辺で、ジャンプやランニングの際に膝が痛む方、スポーツによる膝の痛みでお悩みの方は、Spine Chiropracticへご相談ください。