20代横浜在住女性が産後直後から続く左骨盤の痛みで来院

1ヶ月前に出産後自宅に帰宅して数日後から左の骨盤(仙腸関節)に違和感を感じる様になった。元々腰痛を感じることがあったが今回の症状は初めて経験する痛みで、腰ではなくて骨盤のところが狭い範囲で痛い状態であった。

育児があるため休むことができず日に日に痛みが強くなり、健診時に産院でそのことを伝えたが授乳期間のためカロナールと湿布薬を処方され様子を見ていたが改善がされず、自分でネットで骨盤体操などを行ってみたが逆に痛みが強くなってしまい途方に暮れていた時に夫が治療方法を探した結果カイロプラクティックがヒットし、調べた結果カイロ横浜で検索して当院のWebページを見つけ、適応症状から「妊娠中/産後の痛み」があったので、「一回試してみたら?」という事で来院された。


【検査内容】

問診:座っているとジワジワとした痛みが徐々に強くなっていき、左に乗せると痛みが強くなるため右側に偏って座る様なってから、骨盤が歪んでいるような感覚を感じる様になった。実際にジーンズなど硬い素材のズボンを履くと、左側の腰部分が歩いた時に擦れるような感覚を覚える。

視診:立位姿勢時に股関節の位置の左右差があり、骨盤の高さが違っていることが明確に確認できた。座位で問診中も違和感があるため右側に偏って座っている状態が確認できた。

スタティックパルペーション(静的触診)

右の腰筋と臀筋群の緊張が高く、股関節の外方変異(右に出ている)が確認できた。また、左腓腹筋ヒラメ筋の緊張が高く感じられた。腸骨及び仙腸関節の位置に顕著な差異が確認できた。

モーションパルペーション(動的触診)

立位での股関節屈曲伸展運動では右股関節運動時に体重を乗せている左に違和感を感じる。左股関節動作時は屈曲伸展共に仙腸関節部に違和感が感じられる。

伏臥位(うつ伏せ寝)で仙腸関節を押圧すると左に痛みが生じるとのことであった。

オーソペディックス(整形学検査法)

DLRテスト:(ー)左側に少し違和感程度

イリーヒール…テスト:(ー)左側挙上時に腰部に痛み

ナクラステスト:(+)仙腸関節に痛み

ゲンズレンテスト:仙腸関節に痛み

筋力検査

腰方形筋:5/5 大腿筋膜張筋:左5/5だが姿勢が崩れる 大臀筋:左4/5 中・小臀筋:左4/5


【施術内容】

最初にアプローチしていくべき問題は骨盤の歪みを矯正することであった。スパインカイロプラクティックでは関節の可動性を重視しているが、筋肉と関節の関係性はとても高いことから施術毎に筋肉の状態を改善させてから関節へのアプローチを行うべきか?関節のアプローチを行ってから筋肉の問題に取り組むべきか?を考える。

今回の症例では痛みの所在が明確で左仙腸関節周辺に痛みがあったため、筋肉が主原因ではないことは明らかだった。妊婦及び産後の骨盤の歪みが症状を誘発させていることが明確だったため、矯正時の姿位で痛みが出なかったので骨盤矯正及び関連する腰椎の矯正を最初に行った。

この時点で患者に違和感の出ていた姿勢(座り、立ち姿勢・足の曲げ伸ばしなど)を行ってもらったが、違和感が激減して驚いていたのが印象的だった。

その次にアプローチするべき問題は筋肉の左右差だった。骨盤周囲筋群の左右差がみられ、左骨盤周囲筋群のハリが低下しているのに対して右側は緊張が高かった。右側筋群の緊張を緩めていくことは当然必要だったが、左側の筋肉を働かせるための運動療法が必要であった。

緊張した筋肉の緩和は年齢が若いほど効果が出やすい。この方も筋肉の反応はよく、すぐに柔軟性を取り戻せた。しかし、問題なのは左側の筋肉の緊張が右のそれに比べると弱いため、日常生活での運動療法の指導を行いました。

施術後の反応は途中経過で確認した時同様良好で、本来あるべきバランスに変わったことで逆に違和感を感じていた。

スパインカイロプラクティックでは、初回から2回目のご来院はどの様な症状に対しても1週間以内の来院を提案しています。これは、症状の経過を正確に知るためです。今回は5日後に来院してもらうことになった。


【施術予後】

2回目来院時:初回施術後2日程度は良かったが、その後はいつも通りの状態となった。前回の施術が効果的であったため、同様の施術を施し同じく1週間以内で様子を見てもらうことにした。初回に指導した弱化側の筋力強化を継続して行う様に伝えた。

3回目:やはり2日程度で痛みが戻っていた。痛みの強さは初回に比べて少し下がっている。しかし痛みが出てしまう状態であったため患者の不安が確認できた。

ベースとなる施術は変更せず(左仙腸関節の機能障害)日常生活での負担のかかり方=重心バランスを広範囲に変えていかなければならないと感じ、施術範囲を膝・足関節領域にも広げた。

この施術は効果的で、次の4回目来院した際に1週間経過しても痛みが当初の半分以下に維持できていたため喜んでいたのが印象的であった。

4回目:痛みが軽減した状態を1週間維持できたため同様の施術を行い、2週間の間隔を空けた。

5回目:2週間空けると2週目の半ばには辛くなってくると訴えていた。しかしそれでも初回に比べると半分程度だと言っていた。また、ジーンズを履いた時の左が擦れる感じは全く感じなくなったと言っていた。同様の施術をして「もう一度だけ2週間様子見ましょう。もし今回と同様に症状が出るならそこでまた施術を変えてみます。軽減していれば純粋に施術回数の問題という判断です。」と伝え、家で行なってもらい様子を見てもらった。

6回目:自宅での左弱化筋群の自重トレーニングを怠らず行なっていた影響も功を奏してきた様で、6回目来院時にはだいぶ気にならなくなっていた。ペインスケールは平均でも2〜3/10程度まで減少してい流ということだった。

今回の状況を踏まえ、「症状を改善する=カイロ治療」という段階は終了した。

その後は患者の希望によりメンテナンスフェーズに移行。予防的に1月に一回を定期的にリセットすることになり、現在4年目(以前の勤め先クリニックから来ていただいている)の方の症例です。


【施術者の見解】

この方の症状は痛みの所在が明確で、左の仙腸関節にありました。妊娠中期以降は子宮が羊水と胎児の成長に伴い大きくなる=骨盤内圧が高くなり開いてくる様になります。この時期から姿勢の変化に伴う筋肉の使われ方が顕著に変わる=歩き方や立ち方寝方などが変わることによって、個人差はあるが負担が掛かる部位が変わるなどの変化が起こる。

今回の症例では、元々の体型やクセなどによって骨盤の歪みなどがあった状態で、妊婦体型での偏りが加わり、限局した箇所に負担をかけたのであろうと考えられた。また、その状態で産後は授乳や抱っこなどの生活環境変化によって産後の骨盤の歪みが顕著になった典型系的な症状でした。

産後の体型変化や骨盤の歪みなどは、適切なカイロプラクティック治療と生活環境の改善が伴わなければ、施術で良くなっても良い状態を長期維持することができません。その様な観点から患者に施術毎に筋力強化の大切さを説き、モチベーションを維持させる事で症状を再発しにくい様になりました。

その後は1ヶ月に1回メンテナンスを行い、再発予防で4年間定期的にご来院いただいています。

今回の症例の患者は、以前のクリニックから4年間メンテナンスを担当させていただいている中で多くの方をご紹介いただき、信頼していただけていることに嬉しく思うケースです。

当院では癒しとしてではなく日常生活に直結する筋骨格に由来する様々な症状に対応するカイロプラクティック(整体)を提供しています。馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にあります。横浜駅から京浜東北線・ブルーライン・みなとみらい線でのアクセスが便利です。

横浜周辺にお住まいお勤めの方で上記症状にお悩みの方は当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。