3ヶ月前から右側のこめかみ辺りに違和感を感じる様になった。口の開閉に問題はなく痛みがあるわけではないが、顎関節にも違和感を感じる様になった。
その後からこめかみ辺りから側頭部にかけて頭痛の様な症状を訴える様になったため頭痛外来を受診した。MRIの撮影など行い問題がないことが確認され、この方は処方箋を持参されており、非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン)と筋弛緩薬(ミオナール)の処方を受けていた。
2週間に1回の外来受診で同じ薬の処方を受けていたが改善が見られず、顎の痛みもあったた歯科受診時にマウスピースを作成してもらった。
そのおかげで、朝頭痛になることや顎の痛みは治る様になった。歯科医には「噛み締めで顎の筋肉や頭痛になっているんです。マウスピースは必ずつける様にしましょう。」というアドバイスだったのでそれを守っていた。
それから2ヶ月くらい経過しているが、変わらず朝の痛みなどは治っている。しかし日中はマウスピースを付けられないため、頭痛や顎周囲の痛みが出る状態であった。
保存療法ではなく治療法がないか?を検索した結果自分の住んでいるところから近い馬車道にSpineカイロプラクティックを見つけ、適応症に「顎の痛み」とあったので試しに訪問した。
【検査内容】
問診:症状は日により、平均すると1週間に2〜3回感じる…との事であった。ご飯を食べるときなどに痛みが出る事はないが、夜に痛みが出ることが多い。頭痛につながる事もあり、鎮痛剤を服用するが効果がない。マウスピースのおかげで起きた時の頭痛や顎の痛みは軽減している。
痛みの場所は右こめかみから側頭部にかけて出る事が多い。
視診:視診上の異常はみられない。
スタティックパルペーション(静的触診):
右咬筋の緊張が高く、側頭筋も左右で比較すると右がやや張っている感じと圧痛がある。
モーションパルペーション(動的触診):
開閉口時の顎関節のタイミングに若干の差がある。開校時:右(遅い)閉口時:右(早い)
オーソペディックス(整形学検査法):
該当する検査方法無し
筋力検査:
症状の因果関係を考慮し、首の前を走行する胸鎖乳突筋(斜角筋含む)の検査を行った。
筋力を計らなくても頚部を持ち上げた際に緊張の左右差がみられる。右頚部前面の緊張が強い。
【施術内容】
患者の主訴は頭痛での来院であったが、問診及び触診での判断から噛み締め症候群の影響による頭痛の可能性が高いと判断した。
施術は噛み締める時に使う筋肉(咬筋・側頭筋)や顎の前後のスライドを行う筋(下顎筋群)の緊張を緩めることを行った。
また、これらの筋群が緊張を起こす理由として、額及び後頭骨と頚椎の関係性が関連している。
顎関節は下顎骨主導で動くが上顎骨=頭蓋と構成され、さらに第一頸椎と関節(環椎後頭関節)を構成する。そのため顎の問題…と、捉えた時にこれらの構成要素を考慮しながら施術していく。頸椎全体の湾曲を含む頭蓋の位置関係は、不良姿勢によって引き起こされている場合が多く、この方の症状もストレートネックに関連している可能性があった。
初回では、施術の反応を見ながら施術していくため強度の高い施術は控える。そのため、側頭筋などの頭部周辺の緊張緩和はあまり行わず、顎周辺筋群と頭蓋の位置関係を矯正することに重きを置いた。
姿勢を矯正していくことも施術計画に含め、数回に分けてプランを立てていくことにした。
週末のみ来院可能であったため1週間後に来院するように伝え施術を修了した。
【施術予後】
2回目:施術後の変化はそれほどなかった。悪化などの状況も無かったため今回は視点を変え、頭蓋矯正を含む頸椎全体の前弯形成を作る様な施術をしっかりと行い、顎関節自体の開閉タイミング調整及び側頭部の筋肉の緩和も行った。今回も1週間後の来院を促した。
3回目:1週間の中で、ほぼ毎日出ていた頭痛が痛くない日も出ていた事に驚いていた。まだ痛くなる時もあるが、頻度が少なくなっていたため施術方針を変更せず同じ施術で手数を打つ方が効果的と判断し、施術した。
4回目:1週間後の来院で症状が圧倒的に出なくなっていた。少し感じる時もあるが、痛みの持続時間と回数の低下が見られたため感覚を2週間に広げた。
5回目:来院時「2週目になるとやはり頻度が増えてくる」とのことであったので、施術を背中から腰を含む広範囲に広げ、姿勢を矯正する施術に切り替えて行っていった。
6回目:やはり、姿勢を矯正していく施術を含んだことで2週間の間隔に耐えられる様になった。2週間経っても当初の痛みが10だとしたら半分以下に低下した状態に保てていたため、カイロプラクティック治療期を終了した。
それ以降はメンテナンス期に移行し、現在は3〜4週間に1回のペースで予防的な施術を行い2年目に突入している。
(この方も以前のクリニックから馬車道のSpineカイロプラクティックにご来院いただいている方です)
【施術者の見解】
この方の症状はカイロプラクティックが適応する頭痛と顎関節症の併発症状でした。マウスピース矯正のおかげで、夜間の噛み締め症候群に対しては改善されていたのだが、根本的な改善には至っていなかったため日中は症状が出てしまっていた。
根本的に頭痛及び顎周辺の痛みは咀嚼に関わる筋群の緊張故に起こっている症状であるため、それらの筋肉の緊張緩和及び原因の改善が必要になる。
この方の場合は首の位置が前方にスライドを起こしている事によって後頚部の筋群が緊張を起こしている事による不快感に加え、仕事や職場の環境的ストレス因子も加わり症状が誘発されていたと考えられます。
記述していなかったがストレス的な因子が大きかったため、カイロプラクティック施術以外にも精神的なリラックスを得られる様な生活環境の改善を提案しており、患者は実践していた。
患者自身の努力があってこそ症状の再発防止ができ、その後転職し職場環境が変わったことも症状の再発防止に大きく貢献していると考えられた症例である。
当院では癒しとしてではなく日常生活に直結する筋骨格に由来する様々な症状に対応するカイロプラクティック(整体)を提供しています。馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にあります。横浜駅から京浜東北線・ブルーライン・みなとみらい線でのアクセスが便利です。
横浜周辺にお住まいお勤めの方で上記症状にお悩みの方は当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。