2ヶ月前くらいから部活でバスケをすると膝に違和感が出る様になり、現在は痛みが歩いているときにも出る様になっていたためスパインカイロプラクティックへ来院した。
整形外科でレントゲンの確認をとり、「特に骨には異常がない」と言われ湿布の処方のみだったため、親と一緒に整骨院に通っていた。そこで「電気を当ててもらう治療を1週間に2回受けていた」とのことであった。モモのマッサージ&電気を当ててもらうと1〜2日は少し痛みが和らぐが同じ状態に戻る、ということを繰り返し、最近は痛みが強く頻繁に案じられる様になったため違う方法はないか?と親が近くで通える整体やカイロで検索した結果グーグルマップに当院がヒットし、「適応症を見たら膝も書いてあったので来てみました」とのことであった。
【検査内容】
問診:2ヶ月前にバスケの試合でシュートを打つ瞬間に膝に違和感を感じ、そこから現在は痛みに続いている。病院や接骨院で治療を受け、自分でも膝をマッサージしたり湿布をはったりしていたが一向に改善が見られず、バスケの試合も交代要因として短い時間しか出れないため早く治して試合にフル出場したいという想いがある。
視診:視診上異常は認められなかった。
スタティックパルペーション(静的触診):
右の大腿四頭筋の緊張が高く、特に内側広筋の緊張が高いため膝蓋骨(膝のお皿)が内側に入っている状態であった。
また、右内転筋群も緊張が高くなっていた。
モーションパルペーション(動的触診):
右股関節外旋制限(外側に回す運動)
制限及び痛みはないが、右膝屈曲時に左に比べて曲がらない
オーソペディックス(整形学検査法):
ニーアダクション:(ー)
ニーアブダクション:(ー)
筋力検査:
股関節・膝関節に関連する筋力低下は見られない。しかし、大腿四頭筋(特に内側広筋・直筋)検査時に違和感を感じると彼は訴えていた。
【施術内容】
この方の症状は、右大腿四頭筋の収縮挙動が左に比べて強く起こるのであろうと仮説を立てました。着地の衝撃に耐える瞬間よりも、ジャンプする瞬間に痛みが強く出る…症状なので、大腿四頭筋を中心に股関節の挙動に関連する体幹筋及び腸骨筋と臀筋へのアプローチも重視しました。
上記筋群の柔軟性を高めるとともに骨盤・股関節・膝関節の挙動に変化をつけるため、腰椎・骨盤・仙骨の状態を改善させ、骨格構造から身体の連動性に変化をつける様に考えて関節のアジャストメントを加えました。
施術は3日後(2日間の練習後)に来院するように指示した。
【施術予後】
2回目:2日間の練習でやはり痛みは出たが、痛みの強さと継続性の低下が実感された。初回と同様の施術を継続することに加え、直接的な腱への負荷を低減させるため超音波治療を行った。
膝蓋腱部位に加え、痛みが内側よりにあるため大腿四頭筋の内側広筋にも超音波療法を施した。施術後膝の屈伸やジャンプがかなり軽く感じられるとのことであった。施術後の反応を考え1週間間隔を空けた。
3回目:来院までの間で4回ほど練習があった。回数を重ねると徐々に痛みが出ることがあったが、「痛みが出たらアイシング、その後膝のお皿を回す様にマッサージしてね」との指示を行っていたので、それを行い、一晩経つと痛みがなくなっていたため、またフルでプレイできる様な状態に戻った。
毎回骨盤と股関節の軸が乱れるのでその修正はしっかり行っていました。
今回新しく指導したことは、練習直前にゴムバンドを使ったレッグプレスとスクワット(これは体重をかけるので痛みが出たら控えるように注意した)を指導した。
痛みの誘発が見られても、強さの軽減や回復する様な状態にあったので改善傾向との判断ができたため、同じ施術を施し2週間様子を空けてみた。
4回目:2週間の間、筋トレもしっかり行ってもらったようで、患者が「先生が言った通り、練習前に筋トレすると痛みが出ないです」との事であった。
2週間に間隔を空けて、痛みが出ても気にならないまでに低下したこと、すぐに回復する様になった事を踏まえ施術のフェーズは終了した。「また痛みが続く様ならいつでもおいで!」と伝え、今回の施術は終了した。
【施術者の見解】
この少年の症状は膝の前面部の痛みだったので、同じ部位に痛みを出すオスグットシュラター病/ジャンパーズニーどちらなのか?の鑑別が必要でした。
整形外科では特定の診断名は言われなかった様ですが、「骨には異常がない」とのドクターの見解からオスグットシュラター病ではないだろうと考えました。オスグットシュラターは脛骨粗面の痛み、剥離骨折を起こす場合があるのですが、その様な状態がない場合はレントゲン画像からのみでは完全には否定できません。しかし押圧触診&打診をしても痛みの誘発がなかったことも加えてオスグットの可能性を否定しました。
上記判断から膝蓋腱の痛み=ジャンパーズニーを疑いました。
オスグットとジャンパーズニー共にランニングやジャンプをする競技に発症がよく見られ、使用後モモの筋肉のケアが不十分なことによる腱へのストレスの蓄積によって起こります。
ジャンプの瞬間にモモの筋肉の収縮が起こった際に負担がかかる場合もありますが、着地の際の衝撃を受け止める際の痛みの場合があり、スパインカイロプラクティックのロジックではどちらの場合に痛みが強く出るかによって施術の方針や順番が少し変わります。
この患者さんの場合バスケでのジャンプの瞬間に痛む、またその後に違和感が持続する。家に帰ってモモのマッサージをすると和らぐが、ストレッチしようとすると痛むことから腱へのストレスが増加すると痛む…と判断しました。(モモのストレッチはするべきなのですが、やり方にコツがあります)
また筋肉の強化も必要でした。「ジャンプの瞬間に痛む」との事だったので、練習前に筋肉の張力を上げてあげる事も必要でした。(膝蓋腱へのストレスを低減してから…という前提の元)
継続的に筋トレして、筋量の底上げも指導しました。
具体的な施術内容は上記しましたが、総合的な骨格のバランスを改善させていかなければ、なぜジャンパーズニーを右膝に発症したのか?の根本改善がされない症例でした。
どの症例にも共通して言えることは、最終的には骨格全ての総合的なバランスを整えていく必要があるといことです。
現在は親御さんがご来院されており、「息子は痛み無くバスケにフル出場して、その前大会で準優勝しました!」との報告を受け私も嬉しい限りです。
当院では癒しとしてではなく日常生活に直結する筋骨格に由来する様々な症状に対応するカイロプラクティック(整体)を提供しています。馬車道駅徒歩1分・日本大通り駅徒歩8分・JR関内駅徒歩7分・JR桜木町駅徒歩12分にあります。横浜駅から京浜東北線・ブルーライン・みなとみらい線でのアクセスが便利です。
横浜周辺にお住まいお勤めの方で上記症状にお悩みの方は当院スパインカイロプラクティック(整体院)にお越しください。誠心誠意対応させていただきます。